孫崎享
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孫崎享外交評論家

1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。

「2島先行返還論」評価する世論の変化と日本国民の脆弱さ

公開日:

 北方領土の2島先行返還論について、毎日新聞の世論調査で賛成55%、反対27%となった。FNNや日経、読売など他のメディアの調査でも、おおむね6割が好意的に受け止めている。

 私は長年、国後・択捉を日本のものと主張する法的根拠はなく、1956年の日ソ共同宣言に基づき歯舞・色丹を求めるべき――と主張してきた。このため、「2島返還論者」などと非難されたことがあり、世論の大きな変化に驚いている。

 北方領土をめぐる事実経緯は次の通りだ。

①日本は1945年にポツダム宣言を受諾し、終戦を迎えた。宣言には〈日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ〉とある。②日本は1951年、サンフランシスコ講和条約に署名して独立した。条約には〈日本国は、千島列島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する〉と書いてあり、当時の吉田茂首相は署名前日の演説で、「国後・択捉は南千島」と説明していた。③日ソ共同宣言の合意は〈歯舞群島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する。これらの諸島は、平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする〉――である。

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