出井康博
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出井康博

いでい・やすひろ 1965年、岡山県生まれ。早大政経学部卒業。英字紙「THE NIKKEI WEEKLY」記者などを経て、フリー。著書に「ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)など。

多額の借金背負い…実習生より過酷な「もう1つの抜け道」

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 しかし、もうひとつの抜け道である「留学」については、共産党がわずかに取り上げた程度だった。実習生にも増して留学生がひどい待遇を強いられているのにである。

 留学生の数も近年増加が著しい。過去5年半で約14万人も急増し、32万人以上まで膨らんでいる。出稼ぎ目的の外国人が受け入れられた結果である。留学生には「週28時間以内」のアルバイトが認められる。そこに着目し、「留学」を出稼ぎに利用する。そうした“偽装留学生”は、留学生全体の少なくとも半数に上っているはずだ。

 彼らの最大の問題は、多額の借金を背負って日本に入国していることだ。実習生も斡旋機関への手数料を借金するケースは多い。しかし、偽装留学生の借金は、日本語学校への学費などで150万円前後にも達する。途上国では年収の数年分の金額で、実習生の比ではない。

 来日後、「週28時間以内」の制限内で働いていれば、借金は減らない。しかも、翌年分の学費も貯める必要がある。そこで上限を超えての違法就労が横行する。アルバイト先となるのが、実習生の受け入れが認められない夜勤の肉体労働だ。弁当工場や宅配便の仕分け現場などで毎晩、徹夜の仕事を続ける彼らの暮らしは悲惨なものである。

 大手紙やテレビがほとんど報じない偽装留学生の実態と今後について、この連載で詳しく述べていく。 (つづく)

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