大阪都構想は後付け W辞任“真の狙い”は関心度UPで勢力拡大
「大阪春の陣」の火ぶたが切って落とされた。大阪維新の会のツートップ、大阪府の松井一郎知事と大阪市の吉村洋文市長が8日、半年後の任期満了を待たずにそろって辞任。維新が看板政策に掲げる「大阪都構想」の実現が目的だという。
もっとも、「公約通りに大阪都構想を実現するため」などの理由は後付けにすぎない。松井、吉村の両氏がダブル辞任して再選をもくろんだところで、いわゆる「大阪都構想」の実現は果てしなく困難だからだ。
だったら、任期を半年以上も残してダブル辞任する維新の狙いは何か。理由は簡単。4月の統一地方選と知事選、市長選を同時に実施するトリプル選に持ち込み、世論の関心を高めて投票率を上げ、維新の候補者を一人でも多く勝たせるためだ。
2011年4月の統一地方選では“橋下徹旋風”が大阪に吹き荒れ、「橋下チルドレン」と呼ばれる新人議員が大量に誕生した。だが、橋下氏が維新を去ってから以前ほどの風は吹かず、維新にかつての勢いはない。今回のダブル辞任は「風よ、もう一度」と二匹目のドジョウを狙ったとしか考えられない。