安倍首相“側近”の甘利明氏「女系天皇容認」発言の狙い
「どういう意図の発言なのか」――。自民党の甘利明税調会長の発言に、自民党内が揺れている。24日、皇位継承について「男系を中心に順位をつけ、最終的選択としては女系も容認すべきだと思う。順位をつけてきちんと対処できるようにしておくのはいいことだ」と、フジテレビ系の番組で発言したのだ。
安倍首相や安倍応援団は、“女性天皇”には反対の立場だ。なのに、甘利氏は“女系天皇”まで容認した。甘利発言によって、この先、女系天皇論が沸騰する可能性がある。自民党内に波紋が広がっているのは、甘利氏が安倍側近だからだ。なぜ、側近の甘利氏は、安倍首相の主張と真逆の発言をしたのか。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。
「いま安倍首相がホンネを語る側近は、甘利明氏と下村博文氏の2人だけでしょう。女系天皇を容認する甘利発言は、事前に安倍首相から了解を取っているはずです。恐らく、安倍支持層が“女系天皇”にどう反応するのか確認するためのアドバルーンでしょう。安倍政権は先送りしていますが、皇位継承に関する議論は、一連の皇室行事が終わる来年4月以降、はじめざるを得ない。平成の天皇陛下の退位を実現する特例法の付帯決議は、安定的な皇位継承の議論を“退位後速やかに”行うよう政府に求めています。その時に備えてアドバルーンを揚げたのでしょう」