保阪正康
著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇 」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。

中江兆民、大隈重信らによって思想戦、言論戦に変化した

公開日: 更新日:

 植木枝盛など高知の立志社の会員や、立志社に影響を受けた者の自由民権運動への挺身ぶりは並外れていた。立志社は「人民は国の本なり」と明言し、民会の成立で国家の基本をつくろうと、その覚悟を明確にしている。立志社に集まった者には士族の出身が多く、彼らは万民全ての平等を進めるには相応の時間が必要と考えていた。

 民権運動の啓蒙家には数人の名が即座に挙げられる。代表的な人物として中江兆民を挙げていいだろう。兆民は土佐藩の足軽の子ながら、幕末に藩から長崎に送られてフランスの歴史などを学んでいる。学究派ともいうべきタイプであった。

 兆民はさらに学を積もうと決意し、大久保利通に会って自らのフランス語などを認めさせ、岩倉使節団に参加した。3年ものフランス留学で哲学、思想、歴史などを学んで帰ってきた。大久保たちは官吏となってこの国の発展に尽くすように期待したが、兆民はそのような道は歩まず仏学塾をつくってフランスの民権論を青年たちに教えた。啓蒙家としての役割を果たすことに意を注いだのであった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新の政治・社会記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “安倍側近”の下関市長 市立大人事「私物化疑惑」が大炎上

  2. 2

    安倍首相インド訪問突然中止 永田町で飛び交う“2つの憶測”

  3. 3

    本当の賞金女王は渋野 女子プロの戦意削ぐランク制度の穴

  4. 4

    「FNS歌謡祭」で“声の差”が 薬師丸ひろ子と中山美穂の明暗

  5. 5

    相次ぐ女子プロのツアー引退…それでも老後ウハウハなワケ

  6. 6

    巨人の金庫にカネがない!バレに10億円積むソフトBを傍観

  7. 7

    ジャパンライフ“お墨付き”は安倍首相が 元社員が重大証言

  8. 8

    最後の一線を越えた…7年間にも及ぶ国と社会に対するテロ

  9. 9

    氷川きよしはどこへ向かうのか?「きよしこの夜」潜入ルポ

  10. 10

    “反社おじさん”菅長官KO寸前 側近の公金不倫旅行まで発覚

もっと見る

編集部オススメ

  1. {{ $index+1 }}

    {{ pickup.Article.title_short }}

もっと見る