奥野修司
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奥野修司ノンフィクション作家

▽おくの・しゅうじ 1948年、大阪府生まれ。「ナツコ 沖縄密貿易の女王」で講談社ノンフィクション賞(05年)、大宅壮一ノンフィクション賞(06年)を受賞。食べ物と健康に関しても精力的に取材を続け、近著に「本当は危ない国産食品 」(新潮新書)がある。

米国牛肉はEUで禁止 それでもなぜ日本は輸入拡大するのか

公開日: 更新日:

 米国から安い牛肉が大量に入ってくる。高い和牛肉を買えない一般消費者にとってはありがたい話に見えるが、実はちょっと違うのだ。怖いことになるよという話を連載でリポートしていきたいと思う。

 しばらく前に大きなニュースになったが、日米貿易協定が実質的な交渉入りから半年足らずで妥結した。国会でも簡単に承認され、来年1月1日には発効するという異例のスピードだ。茂木敏充外相のホッとしながらも得意げな表情を覚えている人も多いだろう。

 この交渉で際立ったのは、トランプ大統領の米国産農産物への異常な執着だった。

「現在の2・5%の自動車関税を25%まで引き上げるぞ」と日本を脅し上げ、日本に牛肉、豚肉、大豆、オレンジなどの農産物の輸入拡大を迫った。日本に手っ取り早く農産物を買わせるには、日本の輸入関税を下げさせるのが近道で、結果、米国産牛肉にかけられる関税は38・5%から段階的に9%まで引き下げられ、豚肉は低価格の従量税を現行の1キロ482円から段階的に同50円へ。高価格品は現在の4・3%から最終的に撤廃されることになった。

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