宮田律
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宮田律現代イスラム研究センター理事長

1955年、山梨県甲府市生まれ。83年、慶應義塾大学大学院文学研究科史学専攻修了。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院修士課程修了。専門は現代イスラム政治、イラン政治史。「イラン~世界の火薬庫」(光文社新書)、「物語 イランの歴史」(中公新書)、「イラン革命防衛隊」(武田ランダムハウスジャパン)などの著書がある。近著に「黒い同盟 米国、サウジアラビア、イスラエル: 「反イラン枢軸」の暗部」(平凡社新書)。

【緊急寄稿】米軍は“袋のネズミ”世界最強の名が泣くだろう

公開日: 更新日:

 イランがイラクにおける米軍基地2カ所を弾道ミサイルで攻撃した。イランは、トランプ政権による制裁強化、ペルシア湾での米軍の軍備増強と挑発、またソレイマニ司令官の殺害を受けてついに堪忍袋の尾が切れた格好だ。イラン国内でソレイマニ司令官の葬儀に100万人もの人たちが集まるなど反米感情が高まり、それにイラン政府も応ぜざるを得なくなったのだろう。

 中東政治では国民の感情の高まりが政治を思わぬ方向に導くことがある。1967年にエジプトのナセル大統領は、アラブ世界の反イスラエル感情の高揚を受けて、イスラエル南部の港からインド洋に抜けるチラン海峡を封鎖してそれがイスラエルの先制攻撃を招き、壊滅的な敗北を被り、イスラエルによるヨルダン川西岸、ゴラン高原の占領を固定化してしまった。

 イラク駐留米軍の情報が親イランのイラク武装勢力からもたらされていた可能性もあり、攻撃が容易だったのかもしれない。もちろん、イラクは地理的にも近接していてイランの弾道ミサイルが命中しやすいということもある。イラクに展開する米軍の規模は、5000人余りだが、表向きの駐留理由はIS掃討のためにイラク軍を訓練するためとしている。その駐留米軍は親イランの武装勢力とイランの軍事的脅威に囲まれ、人質というか“袋のネズミ”のような状態に陥りつつある。

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