日本一般用医薬品連合会が“泥沼の内紛”に至った本当の理由
日本国内が新型コロナウイルスの感染騒動で揺れる中、“コップの中の泥仕合”と揶揄されていた医薬品業界団体の民事訴訟がようやく決着した。市販薬を手がける業界5団体で構成する「日本一般用医薬品連合会」(一般薬連)の内紛騒動のことだ。
<本件訴訟につき、本日(2020年3月4日)、被告団体から請求認諾書が提出され、請求の認諾により、当会の請求が全て認められる形で終了しましたことをお知らせいたします>
一般薬連が4日付でホームページに公表した裁判の発端は、2018年5月の会長選にさかのぼる。
当時、再選を目指していた三輪芳弘会長(興和社長)に対し、他の理事らが反発。三輪会長を「会則に沿った運営ができない、意思と能力を喪失した状態」にあるとして、前会長だった上原明副会長(大正製薬ホールディングス代表取締役兼社長、大正製薬代表取締役会長)を会長代行に充て、その後、緊急理事会で新たな会長に柴田仁・大幸薬品会長を選出した。
これを不服とした三輪氏は会長選任手続きに問題があるとし、勝手に事務局を運営したことなどを理由に、元厚労省審議官(医薬担当)の黒川達夫理事長を解任。柴田会長と黒川理事長を名誉棄損で訴えるとともに、あらためて自身を会長とする「一般薬連」の名称を継続して使用していたところ、柴田氏側は18年11月、三輪氏側を被告として、「一般薬連」の名称使用の差し止めを求めて東京地裁に提訴したのだ。