赤木俊夫さん手記の衝撃 このままでは悲劇は繰り返される
内閣人事局はそれを変えた。そもそも国税の現場の声など、この仕組みに反映されない。現場経験の浅い官邸のお気に入りが国税庁のトップとなる。それが佐川氏だ。それを「適材適所」とは言わない。
「手記」からは、佐川氏が理財局長としても部下の信頼を得ていないことがわかる。それでも彼は税のトップのポストに就いた。赤木氏を犠牲にして。それが官邸の意向だったからだ。
この政権は、更に検察トップの人事まで握ることをもくろむ。それが意味することの深刻さは、地検特捜部の捜査が赤木氏を精神的に追い込んだ状況からもわかる。それは、責任を追及されるべき人間ではなく濡れ衣を着せられた人間が捜査のターゲットになるものと、少なくとも赤木氏には見えた。彼が死を選ばなければ、彼だけが訴追された恐れも否定できない。つまり、この捜査機関が政権トップの番犬となった時、国の土台を支える真面目な人間はその犠牲になる。
この政権がつくろうとしているシステムを見直す必要がある。このままでは、赤木氏の悲劇は繰り返される。
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