著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

天皇は高松宮の話に驚き「戦争が総意なのか」と問い詰めた

公開日: 更新日:
「朝見の儀」に臨む高松宮さまと喜久子さま(1930年2月4日、宮内省お貸し提げ=日本電報通信社撮影)

 最終的に日本が戦争を国策とすることを決定したのは、12月1日の御前会議であった。とはいえそれは11月29日の決定を、天皇に追認させるとの意味を持っていた。実際に天皇が拒否すれば開戦が覆ることもありえたが、天皇は発言せず、臣下の者の決定に異議を挟まないというのが慣例であった。いわ… 

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