著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

開戦の詔勅 徳富蘇峰の推敲案に天皇は2カ所だけ手を入れた

公開日: 更新日:
1942(昭和17)年4月18日、栃木県下の徴兵検査を視察する東條英機(C)共同通信社

 東條は天皇を神格化して捉え、自分をその天皇に仕える忠臣の中の忠臣と位置づけていくことになる。もし彼が冷徹に現実に処していく政治家ならば、天皇の大権を付与されているにせよ、その戦争指導は客観的な分析、天皇の意思の確認、そして国民への責任など総合的な判断を行っただろう。戦況が不利に…

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