<1>菅首相も舌を巻く…自分ファースト小池知事の粛清人事
菅首相は就任前の13日、民放のニュース番組で「政府の政策に反対する幹部には異動してもらう」と発言した。
官僚への先制パンチの意味合いもあったのだろうが、「言うことを聞かなければ飛ばす」という行動原理は、東京都の小池知事のほうが一枚も二枚も上手である。
小池知事の粛清人事は4年前の就任当初から、あからさまだった。豊洲市場の地下にあるべき盛り土がなく、地下空間が存在していた件では、徹底的な犯人探しが行われ、現職の管理職にとどまらず、市場長経験者などのOBまでが処分の対象となった。
蛇足だが、この処分の根拠となった自己検証報告書を取りまとめたのは中央卸売市場次長に異動を命じられた筆者だ。それから4年後の今年7月、裏切り者は地の果てまで追いつめてとどめを刺す小池流殺法によって、見事、東京都環境公社理事長の座を追われた。因果は巡っているのだ。恐ろしい。
市場移転問題以外でも粛清の嵐は吹きまくった。ある局長は情報公開の不手際で飛ばされ、ある局長は都議会自民党との関係を疑われて飛ばされた。直近では、新型コロナ対策の最前線で指揮を執っていた福祉保健局長が理由不明のまま、突如、飛ばされた。小池知事の意にそぐわない言動をした局長は情け容赦なく左遷されるのである。