著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

「ハルノート」はアメリカによる“最後通告”ではなかった

公開日: 更新日:
1940年9月の三国同盟の調印式。前列左からイタリア、ドイツ、日本の代表が並ぶ(独・ベルリンで)/(C)共同通信社

 ルーズベルトの親電を遅らせて、実質的に意味のないメッセージに変えたのが佐官クラスの一存によるものだったという現実は、当時の日本社会の規律がいかに緩んでいたかを物語っている。それは結局、歴史上の汚点として年譜に刻まれている。太平洋戦争の開始時のこうした汚点は、大きく分けると4点あ… 

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