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吉井理人千葉ロッテマリーンズ前監督

1965年4月、和歌山県出身。箕島高から83年ドラフト2位で近鉄入団。ヤクルトを経てFAでメッツへ。ロッキーズ、エクスポズなど日米7球団で通算547試合に登板して121勝129敗62セーブ。引退後は日本ハム、ソフトバンク、ロッテのコーチ、昨年までロッテ監督を務めた。23年WBCでは投手コーチとして14年ぶりの世界一に貢献。

紙切れ一枚でクビに…怒りに任せて野球用具すべてを詰め込んだバッグごと、ゴミ箱にぶん投げて球場を後にした

公開日: 更新日:

 ロッキーズでプレーした2000年、僕は29試合に先発して6勝15敗(防御率5.86)と大きく負け越した。

 シーズン中から右肘が痛み、中4日で1試合投げると、肘が曲がらなくなった。痛みのもとは遊離軟骨、通称「ネズミ」だった。

 痛みに耐えられなくなり、トレーナーに相談に行くと、「いいクスリがあるから」と痛み止めを渡された。我慢して投げてくれということだ。

 ロッキーズはその年、西地区4位。順位が決まると、すぐにベールというコロラド州のリゾート地で手術を受けることになった。ベールはスイスのアルプスをモデルにした美しいヨーロッパ風の都市。道路にはランナバウトと呼ばれる円形交差点があって、信号がない。まるで隠れ里のような街だった。

 執刀医は球団の主治医で、朝6時くらいから手術をするという。前日のミーティングでは骨片だけを取り除くことになっていたのに、当日朝、手術直前になって執刀医は状態次第で靱帯も修復すると言い出した。

 えっ! いま、確かに「ligament(靱帯)」って言ったよな? ひょっとしてトミー・ジョン手術をやるつもりか?

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