近づくウクライナ反転攻勢 プーチンを焦らせる「ファクターX」…ヤマ場は6.4前後と専門家
いよいよその時が近づいてきた。ウクライナのゼレンスキー大統領が29日(現地時間)、ロシアに対する反転攻勢に言及。「タイミングこそが最も重要であり、いかに前進していくのか、決定が下された」とし、大規模な反攻が迫っているとにおわせた。ウクライナは欧米などから猛烈な軍事支援を受けているものの、「人員も戦車も数は限られる。大規模な反転攻勢は1回が限度」(軍事ジャーナリストの世良光弘氏)とみられている。文字通り、死に物狂いの戦闘になるのだろう。
プーチン大統領も必死だ。ロシア軍は連日、異例の頻度と規模で無人機などによるキーウ攻撃を繰り返している。筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)は言う。
■ヤマ場は6.4前後
「事態は緊迫している。ポイントは、反体制派指導者のナワリヌイ氏らのグループが6月4日にロシア各地で計画している反戦集会です。世論が割れ、反プーチン機運が高まることが予想され、ゼレンスキー氏からすれば反攻の絶好機。プーチン氏もそうした展開を織り込み、キーウに攻勢をかけている。これまではインフラ設備を破壊していましたが、今回は防空システムを標的にし、脆弱化を図っています」