保阪正康
著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

新聞に躍った「逆徒遂に絞首台の露と消ゆ」の見出し

公開日: 更新日:
桜田通り沿い、一番手前が海軍省、中央やや左手の高く長い屋根が大審院、その奥には司法省が見える=撮影年月日不明(C)イマジンネット画廊所蔵/共同通信イメージズ

 大審院での24人の死刑判決は、この頃の新聞に大きく取り上げられた。それまで法廷の様子などは一切報じられなかったが故に、まさに「記事解禁」の様相を呈する状態になった。

 しかも翌日には「天皇陛下の御慈悲」により、24人のうち12人が無期懲役に減刑されるとも報道されている。そ…

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