高額療養費問題が参院選を直撃か…自民が噴出「立憲の凍結案のまざるを得ない」に透ける保身

公開日: 更新日:

■月額13万円払い続けるケースも

 問題は、多数回に該当しづらくなる“落とし穴”である。

 全国保険医団体連合会(保団連)がまとめた「『高額療養費制度』上限額引き上げに伴う家計・子育てへの影響調査」(実施期間1月30日~2月16日)には、次のような声が寄せられたという。

「40代乳がん患者。当初、月20万円の治療費を払っていたが、薬の副作用があるため量を減らさなければならなくなり、治療費は13万円に。年収650万~770万円であるため、現状の自己負担額は8万100円だが、最終的に13万8600円に引き上げられた場合、月額13万円の治療費では上限額に達しない。ずっと13万円を払い続けることになる」

 上限額ギリギリでは当然、多数回該当の恩恵も受けられない。こんな不安を残したまま、どこが「最大限の配慮」なのか。

 さすがに自民党内からも「立憲の凍結案をのまざるを得ないのでは」との声が出ているという。「引き上げは今年8月から。このまま突っ走れば、夏の参院選で政権批判が吹き荒れる」(自民党関係者)との保身ゆえだ。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    米倉涼子“自宅ガサ入れ”報道の波紋と今後…直後にヨーロッパに渡航、帰国後はイベントを次々キャンセル

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    彬子さま三笠宮家“新当主”で…麻生太郎氏が気を揉む実妹・信子さま「母娘の断絶」と「女性宮家問題」

  4. 4

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  5. 5

    ヤクルト池山新監督の「意外な評判」 二軍を率いて最下位、その手腕を不安視する声が少なくないが…

  1. 6

    新型コロナワクチン接種後の健康被害の真実を探るドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」を製作した大西隼監督に聞いた

  2. 7

    違法薬物で逮捕された元NHKアナ塚本堅一さんは、依存症予防教育アドバイザーとして再出発していた

  3. 8

    大麻所持の清水尋也、保釈後も広がる波紋…水面下で進む"芋づる式逮捕"に芸能界は戦々恐々

  4. 9

    “行間”を深読みできない人が急増中…「無言の帰宅」の意味、なぜ分からないのか

  5. 10

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発