著者のコラム一覧
古谷経衡作家

1982年生まれ。立命館大学文学部史学科卒。令和政治社会問題研究所所長。「左翼も右翼もウソばかり」「日本を蝕む『極論』の正体」「毒親と絶縁する」「敗軍の名将」「シニア右翼」など著書多数。

参政党「参院選14議席」の衝撃…無関心、自民、れいわから流れた“740万票”のカラクリ

公開日: 更新日:

■支持層がかぶる

 キーワードは前哨戦とされた6月の都議選だ。れいわの牙城とされた「練馬」「世田谷」で同党候補が落選し、参政の候補が勝った。あるれいわ関係者は、「支持層がかぶる参政党に取られた」と嘆く。消費税廃止、積極財政を柱とするれいわの経済政策は、後発の参政党が模倣した。しかし国家観や人権問題で進歩的なれいわと、真逆を行く参政の支持者が重複するとはどのような意味か。

 実際には、れいわ支持層には反ワクチンや陰謀論的世界観を好む支持層が少なくない。この意味においてれいわと参政は近似的だ。加えて今回参院選の世論調査で、有権者の関心が最も高い課題は「経済・物価」がずばぬけていた。消費税廃止と積極財政論を支持する有権者が参政に流れたと考えるのが自然だ。

 どだい、基本的人権の尊重・国民主権・平和主義という最も重要な価値観を「経済の二の次」「優先度が低い」と考える有権者には、まっとうな政治的価値観を期待することができない。そのような層は、政治信条の核がないので「新規出店」した政党に向かうのは、日常的な消費行動と同じである。れいわの比例票は今回約380万票で、議席は3に増えたものの、目標の4に届かなかった。本来、れいわが積み増すはずの票を、参政に取られたのではないか。

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  2. 2

    「おこめ券」に続き“やってる感”丸出し…鈴木農相がひっそり進めるもう一つの肝いり政策

  3. 3

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  4. 4

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  5. 5

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  1. 6

    維新が手にする血税は33億円…定数削減へチンピラまがいの圧力、税金原資にキャバクラ&ショーパブ代支出の疑い

  2. 7

    高市首相の台湾有事発言は意図的だった? 元経産官僚が1年以上前に指摘「恐ろしい予言」がSNSで話題

  3. 8

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  4. 9

    【伊東市長選告示ルポ】田久保前市長の第一声は異様な開き直り…“学歴詐称”「高卒なので」と直視せず

  5. 10

    愚策の極み「おこめ券」配布しない自治体が続出…使用期限付き「臨時券」案まで飛び出す泥縄ぶり

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  2. 2

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  3. 3

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 4

    「べらぼう」大河歴代ワースト2位ほぼ確定も…蔦重演じ切った横浜流星には“その後”というジンクスあり

  5. 5

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  1. 6

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  2. 7

    高市首相の台湾有事発言は意図的だった? 元経産官僚が1年以上前に指摘「恐ろしい予言」がSNSで話題

  3. 8

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  4. 9

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  5. 10

    高市政権の「極右化」止まらず…維新が参政党に急接近、さらなる右旋回の“ブースト役”に