「8月の円高・株安」と「9月の米国株下落」…2つのアノマリーは本当なのか

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「8月は円高・株安になりやすい」とのアノマリーが知られている。

 アノマリーとは、理論的には説明できないものの、経験的に見られる規則性のことだ。8月は夏休みをとる人も多く、「長期休暇に入る前にポジションを減らしておこうとする投資家が多い」と考えれば納得しやすいが、実際にはどうだろうか。

 三井住友信託銀行のリポートで1990年から2021年まで、約30年間のドル円相場の月間変化率を見ると、8月の円安回数は11回で、円高回数は21回だった。円高の方が2倍多く、明らかに差がある。また、平均変化率は▲0.6%の円高で12カ月の中で8月が最も円高に動いている。

 直近ではどうか。2005年から24年までの20年間のデータを確認すると、ドル円相場で8月の月間変化率が円安になった回数、円高になった回数ともに10回。回数ではどちらともいえないが、月間変化率の平均を見ると、8月は平均▲0.2%の円高になっている。ちなみに、円高になっているのは1月、7月、8月の3カ月。

 以前よりも薄れつつあるが、7月、8月は円高になりやすいといえるかもしれない。また、過去20年で円高と円安の回数に最も差があったのは10月で、円安が14回で円高が6回だった。平均変化率は0.8%の円安となっている。

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