電光石火の背景に何が? 日米関税決着を花道に石破退陣報道…その裏側と今後

まさか石破首相の花道のためにあのトランプが譲歩するわけがない。国内では安堵の雰囲気が漂っているが、もともと貿易協定違反のふっかけ。25%が下がったことの代償は何だったのか。出来すぎた“怪しい”決着の裏の憶測。
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「関税合意が退陣の花道」という見方も出ているが──。
日本時間の23日朝、米国のトランプ大統領が「日本との最大のディールを完了した」と自身のSNSで表明。トランプ政権が日本に通告していた25%の相互関税は、15%に引き下げられることになった。
参院選大敗で衆参とも過半数割れの石破政権を米国がマトモに相手にするワケがないと言われ、難航していたはずの関税交渉が、上乗せ分が発動される期限の8月1日が翌週に迫るタイミングで合意に至ったことには急転直下の印象がある。その背景には、何があったのか。
参院選大敗でも続投を表明した石破首相は、居座る理由として真っ先に日米の関税交渉を挙げていた。「最も大切なことは国政に停滞を招かないことだ」というのだ。その関税交渉がとりあえず決着したことで、「関税合意花道論」が一気に広がったのだが、自分ファーストのトランプが、ディールで石破の花道のために譲歩するわけがない。
交渉役の赤沢経済再生相は21日から8回目のワシントン詣でに赴いたが、訪米前にトランプとの面会は決まっていなかったという。それがラトニック商務長官やベッセント財務長官らと協議する中で浮上し、最後はトランプと70分間の会談を行って合意に至った。なぜ、トランプは会う気になったのか。本当にアポなし訪問だったのか?
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