小野悦男と同じ団地に住んでいた女性「愛想はいいけど何を考えているのかわからないところが…」

「俺も土いじりが好きでさぁ、庭に畑をつくってんだぁ」
東京都足立区にある都営・栗原団地に住む主婦、相沢広子さんがアジサイの剪定をしていると、背後から茨城なまりの言葉で話しかけられた。振り返ると、人懐っこい笑顔を浮かべた男が立っていた。
その男が首都圏連続女性殺人事件で逮捕されたものの、無罪となり冤罪のヒーローとして世間で騒がれていた小野悦男であると知るのに時間はかからなかった。
1968年から74年にかけて、東京、千葉、埼玉で、8人の女性がレイプされ殺害されるという事件が起きていた。容疑者として逮捕されたのが小野だった。
茨城県行方市出身の小野は、少年時代から盗みを繰り返し、中学を満足に卒業することなく、少年院に入るなど、素行の悪さが地元でも有名だった。故郷を離れた小野は、都内に暮らす親族の家などを転々としながら建設現場などで働き、窃盗や詐欺、暴行などの犯罪を繰り返し、逮捕された時点で前科8犯であった。
逮捕後の取り調べの中で、一度、小野は自白したが、一転して無実を訴えると、文化人や弁護士によって「小野悦男さん救援会」が結成され、世間の耳目を集めた。
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り848文字/全文1,350文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】