「冤罪」の声も出ている…立命館女子大生タリウム殺人事件の謎
袴田巌死刑囚(87)の再審開始が決まり、袴田は無罪になる見通しである。弁護側は、1年以上味噌樽の中にあった衣類に付着した血痕は黒褐色になることを立証し、高裁は衣類が捜査機関によって捏造された可能性が極めて高いとまで指摘した。
袴田が確定死刑囚になってから40年以上が経つ。長年の拘禁と死刑への恐怖から精神を壊した。彼に残された時間はわずかだ。無罪が確定したら、事件を担当した警察官や検察官にも何らかの罰則を科すべきではないか。
私が編集者時代の1974年に「首都圏連続猟奇殺人事件」が起きた。6人の女性が殺されたが、多くは強姦した後に火を放っていた。警察は同一犯とみていたが、私は朝倉喬司記者と現場を回って疑問を抱いたため、「同一犯説に疑義」という記事を掲載した。
小野悦男という人物が逮捕されたが、起訴できたのは千葉県松戸市で起きた1件だけだった。1986年、千葉地裁は無期懲役の判決を下したが、高裁は、自白は強要されたもので任意性が認められないと逆転無罪判決を出したのである。