(1)パンデミック対策の国際組織に薄い関心、重荷となっている円安

公開日: 更新日:

 高市首相の姿勢がうかがわれたのは、就任直後の昨年11月だった。

 焦点となったのは、低・中所得の約100カ国で3大感染症終息を目指す国際機関「グローバルファンド」(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)。日本は次回拠出額(3年間)を、前回(22年)の10億8000万ドルから5億1800万ドルに半減し、衝撃が走った。

「途上国向け援助の色彩が濃いとはいえ、感染症は国境を越えるため、基金は重要な役割を担っています。高市首相の内向きな姿勢が見えて、CEPIへの拠出も減るのではないかと懸念が広がっている」(国際保健アナリスト)

 加えて、高市首相の政策が加速させている円安が重くのしかかる。

 22年2月、岸田首相がCEPIに3億ドル(5年間)の拠出を決めた時の為替レートは1ドル=115円ほど。円換算で345億円だった。足元では1ドル=160円前後に円安が進行し、前回と同じ3億ドルの拠出でも、負担は135億円も増してしまう。

 日本のCEPIへの累計拠出額は、ドイツ、ノルウェー、英国に次ぐ第4位。こうした事情から、元厚労省医務技監の鈴木康裕氏がCEPIの理事に就任している。

 しかし次の拠出が減額されれば、日本は理事ポストを失い、影響力が低下する恐れがあるのだ。 (つづく)

(坂田拓也/ライター)

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    沖縄自民に“下地ショック”の余波…注目の県知事選で古謝陣営が「進次郎の奇跡」待望も不発は必至

  2. 2

    やはり名ばかりだったOTC類似薬保険除外の「配慮措置」…低所得者1770万人、患者の95%が排除される

  3. 3

    “乱舞”する真偽不明の閣僚名簿…高市首相が「鈴木貴子広報本部長」の入閣を狙うワケ

  4. 4

    高市内閣“小幅”改造の真の目的…首相は「挙党体制」を建前に党総裁選のライバル潰しに虎視眈々

  5. 5

    自民党内に内閣改造の“タマ”がいない…女性閣僚「目玉不在」に高市首相が“苦悶”

  1. 6

    高市の弁明、反論はもうたくさんだ 止まらない「円安・物価高・概算要求ショック」の三重苦

  2. 7

    9.13沖縄県知事選で“与ゆ党”総力戦 「古謝リード」で深まる不信…ドン引き広げる「土下座支援」

  3. 8

    極まる独善、鳥肌モノの女優仕草…高市早苗も「神宣言」していた! 福岡・金銭授受疑惑で激怒「名前を使わせない」

  4. 9

    中道改革連合ついに分裂も”めげない”舞台裏で抱く意外な野望…野党再編は一旦、仕切り直し

  5. 10

    大手新聞は書かないが、これが「真相」だ 米国に完全否定されたサナエノミクスのデタラメ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「24時間テレビ」SixTONES起用もマラソン募金額46%減で“旧ジャニーズ一極集中”は終焉へ

  2. 2

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 3

    NHK出演にSNSでは抗議の声も…彬子女王と伊藤穰一氏をつなぐ「裏千家」とブータン王室の深い関係

  4. 4

    (2)「おニャン子クラブ」の二の舞いを回避した「順位付け」という競争原理はグループを飛躍的に活性化させた

  5. 5

    「タンス預金2000万円」相続税はどうやってバレる? 税務署が追う“亡き親の出金”

  1. 6

    一発で免許停止も…9月から法定速度改正「時速30キロ」生活道路の見分け方

  2. 7

    水前寺清子(1)作詞家・星野哲郎への恩と愛称「チータ」誕生の理由

  3. 8

    自民党内に内閣改造の“タマ”がいない…女性閣僚「目玉不在」に高市首相が“苦悶”

  4. 9

    24時間マラソン完走後にSNSで“陰謀論”が拡散 星野真里に上がった「車移動説」のお粗末

  5. 10

    止まらない「人手不足倒産」…8月は過去最多を記録、もはや“ブラック企業”は成り立たない