存在感増すプロ野球OBクラブ「全国野球振興会」
去る9日と10日、東京と大阪で「学生野球資格回復研修制度・プロ研修会」が開催された。プロ野球経験者が学生野球資格を回復するためのプロ側の「研修会」だ。8月にも2日間行われ、4回の講習会で約700人のプロ野球OBが受講した。
従来は原則として教職資格を取得し、2年以上高校の教諭を務めないとアマを指導する資格を得られなかった。それがアマとプロ側の雪解けで「プロ側」と「アマ側」の研修を受け、リポートを書くなどすれば、高校野球の監督もできるようになる。
研修会の内容はプロ・アマ野球の関係の歴史、高校生の体の特性と傷害予防、プロ野球新人獲得のルールなどの講義が続く。そして毎回、公益社団法人全国野球振興会(日本プロ野球OBクラブ)の森徹理事長の「指導者の役割」と題する講義がある。
「プロと違い、学生を指導する者は単に技術を教えるだけではいけない。学生野球はあくまで教育の一環だから、教育者でもなければならない。選手の失敗は個人の失敗で終わるが、指導者の失敗はその選手の将来、チーム全体の失敗になる。だからこそ受講者には正しい理論だけでなく、いろいろなことを学んで欲しい」(森徹理事長)