<第13回>親方は一度やったら辞められない

公開日: 更新日:

 これらを合わせると、幕下以下の力士1人ごとに84万円+96万円で年間180万円に上る。つまり、人数に比例して収入が上がるため、親方もそう簡単に弟子をクビにできない。本来ならば出世の見込みのない力士には師匠が引退勧告をすべきだが、潔くそれができるのはほんの一握りだ。

 さらに親方には最低でも年間約1200万円もの給料が支給される。所属力士が少なければ、給料を切り崩す必要も出てくるかもしれない。しかし、力士の体調より、空調の電気代の節約を優先させては本末転倒だ。冒頭の後輩力士は「ケチった分は全部、自分のフトコロに入れてるんですよ」とこう言う。

「ウチの部屋の力士は幕下以下だけですが、人数はそれなりにいますからね。2、3年前にはちゃんこ代を切り詰めていた部屋もありました。僕ら力士は山ほど食うし、それも仕事のひとつです。ロクに食えなけりゃ、力なんてつきませんよ。その部屋はちゃんこの食材が安物ばかりで、量も一般人並み。所属していた力士は『これじゃ倒れる』と、自腹で食べ物を買っていました。現在は改善されたらしいですが……」

 もちろん、マトモな親方の方が多いとはいえ、力士のことを「私腹を肥やすための道具」としか見ない者もいる。これでは親方というよりは、置き屋の主人だろう。

(つづく)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関復帰10勝での「休場」に現実味…天敵・大の里に初勝利も素直に喜べない理由

  2. 2

    暫定措置は7月で終了へ…「資格確認書」「マイナ保険証」迫るタイムリミットの対処法

  3. 3

    目黒蓮不在のSnow Man、ラウールが"次期エース"へ台頭か「めめラウ」が与え合う影響

  4. 4

    北陸新幹線の延伸ルート「桂川案」に決定でも難航必至…問題解決の奇策「フリーゲージトレイン」の可能性を考えてみた

  5. 5

    阿部慎之助氏の巨人監督復帰が絶望的なワケ…親会社が断固として許さない暴力行為の重み

  1. 6

    安青錦が丸ごと吐露…相撲との出会い、日本語習得、「腹違いの兄貴」

  2. 7

    ウルトラセブンで主演の森次晃嗣さん「ずっと“モロボシ・ダン”と見られるのが嫌だった…」

  3. 8

    佐々木朗希また抹消…中6日も守れない“ひ弱な怪物”をそれでも全30球団が欲しがったワケ

  4. 9

    「24時間テレビ」放送1カ月前に日テレ局内に流れる微妙な空気…猛暑の中の星野真里マラソンに大逆風

  5. 10

    「働いて×5」では?…支持率急落の高市首相「睡眠不足」「家事多忙」SNSでアピールのトンチンカン