<第11回>ある新弟子の一日

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 朝5時00分起床。兄弟子を起こしてはいけないため、目覚まし時計はセットしない。朝稽古の時間は部屋や時季によってまちまち。本場所中ならば5時から稽古をすることも珍しくない。日が昇るのが遅い冬場よりは、夏場の方が開始時間が早い。新弟子は朝稽古の準備のため、開始の1時間以上前には起きるのが普通だ。眠い目をこすりながら、土俵の周りを簡単に掃除する。

 6時半、稽古開始。この時間に動いているのは幕下以下の力士ばかり。幕内力士が稽古場に下りてくるのは大体8時以降だ。稽古中、親方から「今のは何だ!」と叱責が飛ぶ。部屋によっては、二日酔いで朝稽古の時間中は寝ているダメ親方もいる。それに比べればだいぶマシな方だろう。

 10時、稽古が終了し、風呂とちゃんこの時間になる。10年近く部屋に住んでいる三段目の先輩力士は稽古もそこそこに、ちゃんこの買い出し。前日は別の先輩力士がちゃんこを作っていたが、この新弟子は食事に関してはノータッチ。悪いと思って親方に「僕は手伝わなくてもいいんですか?」と聞くと、「ちゃんこより稽古に励め!」と言われた。

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