<第10回>現役力士のファッション事情…「マゲ、着物、ゲタ」の縛りに何を思うのか

公開日: 更新日:

「オレが若い時はさ、洋服で出歩いているのを親方に見つかろうものなら、『そんな服着てるってことは廃業してゴルファーにでもなるのか』って遠回しに服装のことをとがめられたもんよ。力士が外で洋服を着るのはゴルフ場くらいだったからな。最近はそれも緩くなったもんだ」

 苦々しげに言葉を絞り出した50代の元力士の前を、自転車が通り過ぎる。漕いでいるのはジャージー姿の若手力士だった。

 力士は番付にかかわらず、日本相撲協会から外出時の着物姿を義務付けられている。その最低ラインが浴衣だ。ところが、近年はそのルールも昔ほど厳格ではない。相撲部屋が集まる両国を少し歩けば、今の時季ならジャージー、夏ならばTシャツ短パン姿の力士を多く見かける。引退した把瑠都は六本木などの繁華街をTシャツ姿で闊歩し、再三にわたって協会から注意された。冒頭の元力士が言う。

「悪いのは注意しない親方衆だよ。若い力士にしてみりゃ、着慣れた洋服の方がいいに決まってる。でも、親方は『自分からこの世界に入ったのだから、ルールは守れ!』と怒るべき。それも親方の義務だろうに。一門や部屋によっても厳格かそうでないかは分かれる。把瑠都のいた尾上部屋が所属する出羽海一門は規律に厳格な部屋が多いんだが……。まあ、今の親方衆は評判よくないからね」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」