<第30回>「オレ、まだ伸びてるわ」

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 大谷のお尻と太ももの付け根の痛みはすぐには引かなかった。

 自覚症状が出たのは高校2年の夏の県大会が始まる前。「左太ももの肉離れ」と診断され、岩手県予選は4回戦で1回3分の1を投げただけで他の試合は外野手での出場だった。甲子園ではリリーフとして5回3分の2を放るも、痛みは岩手に戻っても残った。埼玉県の病院まで行って検査した結果は「左股関節骨端線(骨と軟骨の境目)の損傷」だった。

 体が成長し切っていないうちは残っている骨端線が破損していた。それが判明して以降、投球練習は禁止された。

 母・加代子(51)がこう言った。

「(治るのに)4カ月くらいかかると言われました。何もできないというわけではなく、こういう動作はいいというのはトレーナーの先生が指示してくれたのです。例えばバッティング練習は大丈夫だと。主に休養と栄養が大切でした。なのでカルシウムが豊富な牛乳とかヨーグルトとか、うなぎの骨とか、そういうものを差し入れたのを覚えています」

 ダルビッシュ有(現レンジャーズ)も田中将大(現ヤンキース)も、成長痛に苦しんだ。

 ダルは中学時代、夜中にひざが痛んで泣いたほど。体が急激に大きくなる反動だが、大谷はそこまで激しい成長痛に悩まされることはなかった。

 父・徹(52)がこう続ける。 

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【連載】秘話 大谷翔平「二刀流の血脈」

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