「長嶋さんもカリカリ」V9戦士黒江氏が巨人賭博問題に怒り

公開日: 更新日:

 今の選手が野球賭博に手を出したり、金銭感覚がおかしくなってきたのは、きちんと話をしてくれる指導者がいないからですよ。私の頃は川上(哲治監督=故人)さんが、いろいろな話をしてくれた。川上さんは財界にも知人が多かった。例えばチーム状態が悪い時、富士銀行(現みずほ銀行)頭取の例を出してね。「あんなに偉い人でもこういう苦労しているんだぞ。試合に勝った、負けたぐらいは大したことではない」と言って選手にハッパをかけていた。「年上の人は人生経験が豊富だし、苦労もしている。年下より、知恵のある年上の人と付き合いなさい」ということも言ってましたよ。

 黒い霧事件(1970年前後に社会を揺るがせたプロ野球の八百長事件)の時は、警視庁の人が球団に来てね。どうやって選手に近づいてくるかという具体的な話も聞いた。私も銀座のクラブで飲んでる時に、一般の人とは雰囲気が違うお客からビールをごちそうになった。断るわけにもいかないのでグイッとやって、「ごちそうさま」と言ってすぐに店を出た。その店には二度と行かなかった。巨人中日西武でコーチになったとき、そういう話を選手たちにしたものです。黒い霧事件を知っている選手なんて、もういないからね。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし