クビトバの完全復活に暗雲 “狙われたトップ選手”のその後

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 世界のテニス界に衝撃が走った。

 ウィンブルドン選手権を2度(2011、14年)制した女子シングルス世界ランキング11位のペトラ・クビトバ(26=チェコ)が20日、同国東部プロスチェヨフの自宅で刃物を持った強盗に襲われ、利き手の左手を負傷。神経と腱の修復手術を受け、今後3カ月はラケットを握れないという。クビトバは今季途中に左足を疲労骨折し、来季開幕からの復帰を目指していたが、来年1月の全豪オープン出場は絶望的となった。

 手術を終えたクビトバは自身のツイッターで「ひどいケガをしたが、幸運にも生きている。私は強いし、この出来事と闘いたい」と記し、ファンに向けて早期復帰を誓った。

 回復が順調なら来年4月にも練習を再開できる見込みだが、完全復活にはケガの完治に加え、心のケアも必要になる。クビトバ同様、過去に強盗や暴漢の被害に遭った女子選手は事件後、揃って低迷しているからだ。

■クビトバだけじゃない

 最も有名なのは4大大会を9度制したモニカ・セレシュ(事件当時20、旧ユーゴ=94年に米国籍取得)のケースだ。93年4月のシチズン・カップ(ドイツ・ハンブルク)でベンチに座っていた際、当時ライバル関係だったシュティフィ・グラフのファンに背後から背中を刺され、全治6カ月の重傷を負った。背中の傷は順調に回復したが、暴漢に襲われたショックから、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患って復帰までに3年近くを要した。引退後、セレシュは当時を振り返り「あの事件で私のテニス人生は一変してしまった。心に傷を負ってしまった」と話している。

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