東京マラソンの非情…中国在住者の欠場には参加料返金せず

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 良識が問われる。

 3月1日開催の東京マラソンの主催者は6日、感染が拡大している新型コロナウイルスの対応策として、出場資格を持ちながら今年の大会に参加できなかった中国在住者には、国籍を問わずに来年の出場権を与えると発表した。

 中国国内の移動制限や航空便の運航停止、日本の入国制限などの理由で参加できない者への配慮だが、問題はカネだ。

 すでに支払い済みの参加料(マラソン国内1万6200円、国外1万8200円。10キロ同5600円、同6700円)やチャリティーランナーの寄付金(個人10万円以上)は返金されない。しかも、出場権を得る来年の大会にエントリーする場合は新たに参加料を取られる。

■自分の不注意でもないのに…

 自分の不注意でケガをしたり風邪をひいて参加できないのであれば仕方がない。しかし、中国本土で新型ウイルスによる肺炎の死者は6日には560人を突破。これは中国の国家衛生当局の発表なので、実際にはその数字をかなり上回っているとの見方もある。世界の患者数はきょうにも3万人を超えるとみられている。世界保健機関(WHO)は「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」と宣言した。そんな恐怖の病気と世界が闘っているときに、「中国から出られない人はエントリー規約にあるのでマラソンの参加料は返しません。来年は優先的に走らせますが、参加料を払ってください」というのは、あまりに非情ではないか。

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