いいと判断した選手は進退をかけてプッシュしなけりゃ

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巨人が5位で指名した秋広のことだ。原監督が並じゃないと言ったように、高校生ルーキーがこの時期、一軍に帯同してるだけでも大したものなのに、実戦でそこそこ結果も出している。あれだけの選手がなぜ、下位まで残っていたのかってことだ」

 こう言う部長と目が合ったんで、ヤバい、公開説教かよ……と覚悟したら、「実戦を少し見ただけだが、実はオレも、あそこまでやるとは思わなかったんだ。野手として面白いと思ったけどな。スイングスピードもそれほどじゃないし、高校生の球だから打ててもプロじゃ厳しいと。パワーがついてからでも遅くないってな」。

 ここまで聞いてホッとしたのも束の間、オレの方を見てこう続けた。

「けど、担当によくよく聞いたら、フリー打撃なんか、めちゃくちゃ飛ばすらしいじゃねーか。非力どころか、打球を遠くに飛ばす能力は天性のもの。だから担当には言ったんだ。『そこまで見ているなら、なぜアピールしない。スイングスピードが鈍く見えるのはたまたまで、実際は天性のパワーがある。是が非でも取るべきと言え』ってな。だれよりも選手を見ている担当がいいと判断した選手は、自分の進退をかけるくらいの気持ちでプッシュしてくれなきゃ伝わらない。人がなんと言おうと自分の目を信じろよ」

 最後のひと言は「おまえは余計なこと言うんじゃねーよ」って聞こえたけどね(苦笑い)。

(プロ野球覆面スカウト)

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