いいと判断した選手は進退をかけてプッシュしなけりゃ

公開日: 更新日:

巨人が5位で指名した秋広のことだ。原監督が並じゃないと言ったように、高校生ルーキーがこの時期、一軍に帯同してるだけでも大したものなのに、実戦でそこそこ結果も出している。あれだけの選手がなぜ、下位まで残っていたのかってことだ」

 こう言う部長と目が合ったんで、ヤバい、公開説教かよ……と覚悟したら、「実戦を少し見ただけだが、実はオレも、あそこまでやるとは思わなかったんだ。野手として面白いと思ったけどな。スイングスピードもそれほどじゃないし、高校生の球だから打ててもプロじゃ厳しいと。パワーがついてからでも遅くないってな」。

 ここまで聞いてホッとしたのも束の間、オレの方を見てこう続けた。

「けど、担当によくよく聞いたら、フリー打撃なんか、めちゃくちゃ飛ばすらしいじゃねーか。非力どころか、打球を遠くに飛ばす能力は天性のもの。だから担当には言ったんだ。『そこまで見ているなら、なぜアピールしない。スイングスピードが鈍く見えるのはたまたまで、実際は天性のパワーがある。是が非でも取るべきと言え』ってな。だれよりも選手を見ている担当がいいと判断した選手は、自分の進退をかけるくらいの気持ちでプッシュしてくれなきゃ伝わらない。人がなんと言おうと自分の目を信じろよ」

 最後のひと言は「おまえは余計なこと言うんじゃねーよ」って聞こえたけどね(苦笑い)。

(プロ野球覆面スカウト)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    秋季関東大会で横浜高と再戦浮上、27連勝を止めた「今春の1勝」は半年を経てどう作用するか

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    公明票消失で自民衆院「東京選挙区」が全滅危機…「萩生田だけは勘弁ならねぇ」の遺恨消えず

  4. 4

    星野監督時代は「陣形」が存在、いまでは考えられない乱闘の内幕

  5. 5

    「自維連立政権」爆誕へ吉村代表は前のめりも、早くも漂う崩壊の兆し…進次郎推しから“宗旨変え”

  1. 6

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 7

    国民民主党・玉木代表「維新連立入り」観測に焦りまくり…“男の嫉妬”が見苦しすぎる

  3. 8

    自民「聞いてないよォ」、国民・玉木氏「どうぞどうぞ」…首相指名の行方はダチョウ倶楽部のコント芸の様相

  4. 9

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  5. 10

    「ガルベスと牛乳で仲直りしよう」…大豊泰昭さんの提案を断固拒否してそれっきり