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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

佐藤輝明が2年連続20発の裏で…もう一人の和製大砲・大山悠輔よ、山本浩二を目指せ

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 しかし、大山の場合は短期的な大爆発があったから、少しモヤモヤしてしまう。忘れもしない今年6月、あの月の大山は1試合3本塁打を含む月間10本塁打、29打点の荒稼ぎ。そのバッティングは見ていて惚れ惚れするほどパワフルで、放たれた打球はまさに長距離砲の名にふさわしい美しい放物線を描いていた。

■30代からの飛躍

 これまでも大山はそういう短期的な本塁打量産をしばしば披露し、その後はぱったり本塁打が出なくなるという摩訶不思議なサイクルを繰り返してきた。今年も結局はいつものパターンで、7月以降はコロナ離脱があったとはいえ、約3カ月間でわずか5本塁打。だから、年間トータルで見ると20本台の打者になってしまうのだが、佐藤輝と同じく長距離砲としてのポテンシャルは垣間見えるからモヤモヤする。

 大山も早いもので12月には28歳になる。プロ7年目となる来年はもう立派なアラサー選手であり、普通に考えたら大きな伸びしろは期待できないのかもしれない。

 しかし、長いプロ野球史を振り返ると、30歳を越えてから飛躍的に本塁打数を増加させて長距離砲として大成した選手もいるにはいる。代表格はミスター赤ヘルこと山本浩二、西武中日で活躍したベンちゃんこと和田一浩。大卒ドラ1で、20代のころは打率2割台と本塁打20本台がほとんどだったという点では山本浩二のほうが、大山と重なる点は多い。恐れ多いが、大山にはまだまだ高みを目指してほしい。

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