著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神・青柳晃洋に漂う「大エース」の風格…悲劇的な敗戦もサマになる

公開日: 更新日:

 それにしても阪神は打てなさすぎる。先週6試合、2勝4敗と乗り切れないのはさておき、4敗のうち3敗が完封負けとはあまりに寒々しい。残り1敗もわずか1得点だったから、さすがに投手陣がかわいそうだ。

 開幕当初は乱れがちだった投手陣だが、このところは先発もリリーフも持ち直している。先述の4敗だって、先発の西勇輝は8回自責点2で負け投手、秋山拓巳も6回途中まで自責点2で負け投手、ウィルカーソンも5回自責点2で負け投手、リリーフ陣に至っては先週6試合で失点0だ。

 だから、本当に投手陣が気の毒で仕方ない。特に5月6日の中日戦はひどかった。9回を無失点に抑えたエース・青柳晃洋が延長十回途中で1失点しただけでサヨナラ負けの敗戦投手になるなんてあんまりだろう。普通なら3試合連続完投勝利、うち2試合が完封という大偉業になるところだったのに……。

 もちろん、相手先発も中日のエース・大野雄大なわけだから、そう簡単に打てないのはわかっている。けれど、いくらなんでも9回をパーフェクトに抑えられ、延長十回途中の佐藤輝明のツーベースで完全試合を免れるのが精いっぱいの1安打完封負けとは気がめいる。試合後、野手陣は青柳にどんな顔を見せたのだろう。どんな言葉を送ったのだろう。青柳はここ3試合すべて完投しており、球数は平均120球を超える。それでも報われないとなると、精神的な意味も含めた勤続疲労や故障が心配だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋