著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

セのベストナイン外野手部門で阪神・高山俊が1票? 今年も不可解な少数投票

公開日: 更新日:

 そういう記者の贔屓目としか思えない投票は阪神関係にもあった。セ・ベストナイン投手部門で青柳ではなく湯浅京己に投じられた1票はまだ百歩譲って理解できなくもないが(理解しがたいが、理屈は推察できる)、外野手部門で高山俊に1票を投じた野球記者がいたことにはとても驚いた。

 外野手部門3人は先述した近本をはじめ、最多安打のタイトルを分け合ったDeNA佐野恵太中日・岡林勇希。このうちトップ票は盗塁王を獲得した近本だが、これも本来なら、最多安打のタイトルだけでなく3年連続打率3割も達成し、22本塁打を放った佐野がトップとなるべきだ。阪神は番記者の数が多いため、そんな数の暴力が働いた結果ではないか。

■応援か皮肉か

 しかし、そんな小さな疑義がかすんでしまうくらい、高山への1票は衝撃だった。今年の高山は38試合の出場で打率1割台。いや、今さら数字を出さなくても野球記者ならわかるだろう。かつての新人王・高山の現在がいかに深刻な状況にあるのか。現在の高山が長引く低迷の末、選手生命の崖っぷちにまで追い込まれていることをわかったうえで、この記者は高山に票を投じたわけだ。

 これは高山への応援的なメッセージなのか、それとも皮肉や当てつけなのか。いずれにせよ、ベストナインの本質とは無縁な意図によって、票が投じられているのはまちがいない。虎党として恥ずかしいし、なにより罪なく名前をさらされた高山が実にかわいそうだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  2. 2

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  3. 3

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  4. 4

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 5

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  1. 6

    半世紀前のこの国で夢のような音楽が本当につくられていた

  2. 7

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 8

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 9

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  5. 10

    プロスカウトも把握 高校球界で横行するサイン盗みの実情