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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

米国の金融不安で今オフにダメージを受けるのはどんなメジャーリーガーか

公開日: 更新日:

 大リーグ球団の経営に携わることは、「儲かる商売」を行っていることと同義である。

 2021年のアトランタ・ブレーブスを例にとれば、年間で1億400万ドルの収益があり、1試合当たり600万ドルの売り上げがあると指摘されている。

 ただし、今年3月のシリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻に始まる米国の金融不安は、「儲かる商売」に携わっているはずの経営者たちの行動に影響を与えることが予想される。

 金融大手バンク・オブ・アメリカによる月例調査で投資家の金融不安に対する見方が強まったことからも、関係者の間では米国経済の動向を悲観視する考えが浸透していることが分かる。

 今回の調査はSVBの破綻前に行われた。それだけに、米国内の中規模銀行の相次ぐ破綻や地域銀行の経営危機、あるいはクレディ・スイスの破綻とスイス金融大手UBSによる救済買収などの世界的な金融不安によって、投資家の心理が一層弱含みになっているのが現状である。

 こうした様子は08年のリーマン・ショックに始まる金融危機を連想させる。

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