プロ野球「ドラフト指名権譲渡」導入の可能性は…ソフトB和田毅「FA人的補償」問題で再燃

公開日: 更新日:

「獲得する側は補償がない方がいいに決まっているが、それだと取られる側は損するだけ。ソフトバンクなどの資金力がある球団は賛成しても、西武のようなFAで選手が出ていくことが多い球団は反対するしかない」

■MLBでは導入済み

 そんな中、かねて新たな補償案として浮上しているのが「ドラフト指名権の譲渡」だ。

 MLBでは戦力均衡の観点から、選手がFA移籍した球団は、移籍先球団から翌年ドラフトの上位指名権を得られる。

「とはいえ、実現する可能性は低い」と言うのは、前出の球団関係者。

「ドラフト指名権譲渡が導入されれば新たな問題が生じます。メジャーでは2019年、FA市場の目玉だったキンブレルとカイケルの移籍が6月までズレ込んだ。各球団がドラフト指名権の譲渡を嫌い、ドラフト会議終了まで獲得に動かなかったからです。ドラフト指名権は各球団にとって、それくらい重要なもの。日本はFA市場が小さい上に、米国以上にドラフトを編成の肝にしている。獲得する側としても28人のプロテクト外の選手を放出するならまだしも、翌年のドラ1が取れないリスクは大きい。結果的に、選手が自ら移籍を選択できる機会は今以上に減りかねません」

 いずれにせよ、FA制度の仕組みが過渡期に差し掛かっているのは間違いない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    今オフ勃発「FA捕手大シャッフル」…侍Jの巨人・大城、SB甲斐を筆頭に中日、阪神も参戦か

    今オフ勃発「FA捕手大シャッフル」…侍Jの巨人・大城、SB甲斐を筆頭に中日、阪神も参戦か

  2. 2
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 3
    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  4. 4
    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

  5. 5
    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

  1. 6
    “辞めジャニ”野村義男は59歳で現役バリバリ!引く手あまたの秘訣は「第三の道」を歩んだこと

    “辞めジャニ”野村義男は59歳で現役バリバリ!引く手あまたの秘訣は「第三の道」を歩んだこと

  2. 7
    巨人・秋広が今季初昇格も阿部監督「全く期待していない」…のんきな性格がアダで早くも背水の陣

    巨人・秋広が今季初昇格も阿部監督「全く期待していない」…のんきな性格がアダで早くも背水の陣

  3. 8
    阪神・岡田監督が密かに温めていた「藤浪獲得プラン」が消滅していた…

    阪神・岡田監督が密かに温めていた「藤浪獲得プラン」が消滅していた…

  4. 9
    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間

    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間

  5. 10
    人間性やスタンスが如実に表れたMLB挑戦時の「西海岸かつ小規模都市」へのこだわり

    人間性やスタンスが如実に表れたMLB挑戦時の「西海岸かつ小規模都市」へのこだわり