ドジャースが密かに描く投手大谷「プレーオフ抑え起用」…今季中の先発ローテ入りは道のり遠く

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編成責任者は抑えの適性を高く評価

 そこでいま、球団内部でひそかに検討されているのが「ポストシーズンでの抑え起用」だという。前出の特派員がこう言った。

「レギュラーシーズンは球数限定の先発で起用する。なるべく打撃に影響が出ないよう、肩肘に負担をかけ過ぎないように、徐々にイニングを伸ばしていく。レギュラーシーズン中に投手としてある程度、やれるメドが立ったら、10月のポストシーズンは抑えで起用する。大谷をラインアップから外さずに、しかも投手としての負担を最小限にとどめるには1イニング限定のストッパーがベスト。ドジャースはオフに抑え候補として獲得したスコット(30)とイエーツ(38)がいまひとつアテにならない。先発が足りないうえ、リリーフも脆弱ですからね。1イニング限定の起用なら、大谷の160キロ超の速球や曲がりの大きなスイーパー、以前より鋭く落ちるようになったツーシームは威力を発揮するという計算ですよ」

 ロバーツ監督はABEMAの独占インタビュー企画で大谷のクローザー起用を否定。「(大谷にとって)試合前に準備をして、いつ投げるか知っておくことが重要だ。クローザーは電話が鳴ったらすぐに準備をしなければならない」と話したものの、短期決戦のプレーオフであれば事情は変わってくる。

 実際、2023年のWBC決勝の対アメリカ戦では1点リードの九回に抑えとして登板。2死後、MVP3度のトラウト(33=エンゼルス)を三振に仕留めて日本に優勝をもたらした。

 昨年のプレーオフを前に、ドジャースのフリードマン編成本部長はWBCでの活躍も含めて大谷に関してこう言っている。

「とてつもない集中力が感じられる。(2023年12月、FAの入団交渉で)わたしたちが会ったとき、彼との会話のすべては10月に関することだった。彼はその瞬間にとても興奮していると思う。起きていないことについては常に不透明だが、彼は活躍できると大いに自信をもっている。3月のWBCでは必要以上の答えを見せてくれた。特に、米国戦の九回だ。あの回を見ていたけど、興奮が抑えられなかった。とてつもない闘争心の持ち主だ」

 一戦必勝のトーナメントで、抑えとしてチームを世界一に導いた投球を評価しているのは、だれあろうドジャースの編成責任者なのだ。

 ロバーツ監督は「電話が鳴ったらすぐに準備をしなければならない」と言っているが、抑えは原則として九回の1イニング限定。DHの大谷にはブルペンで準備する時間もあるし、何より飛び抜けた「集中力と闘争心」は大きな武器になるに違いない。

  ◇  ◇  ◇

 ところで、大谷がリスクを承知で身を削りながら投手復帰を推し進めたことで、佐々木朗希の立場はすっかりなくなっている。チーム内での「不純物認定」は、もはや時間の問題なのかもしれない。いったいどういうことか。いま、佐々木は周囲からどう見られているのか。その「苦しい現状」とは。

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