ドジャース山本由伸「魔球のカラクリ」を数字で解読…打者への対応力が格段に向上していた!

公開日: 更新日:

回転は少なくても“ホップ成分”はダルビッシュ級

■多投したツーシーム

 ツーシームの割合は、対右打者が昨季の2.8%から7.5%に、対左打者は6.1%から11.0%に増えた。それに応じてゴロ率が48.3%から53.7%にアップ。打たせて取ることで球数が減り、1試合平均4.9から6.0と1イニング以上伸びた。ポストシーズンでの2試合連続完投勝利を下支えした。

 山本は9月に球団のスペイン語公式X(旧ツイッター)で「ランディ・ジョンソンがツーシームの話で日本のテレビに出ていた。たまたまテレビを見ていて、次の日練習で試してみたら、ちょっと動いた。練習してみようと思って、そっからどんどん良くなって、試合で使えるようになった」と明かしている。

■回転が少なくてもホップ

 今季のフォーシームのスピン量はメジャー平均の2300を下回る2200。「回転数が平均以下なのに、むしろ浮き上がる性質がある」と米球界関係者がこう続ける。

「24年のパドレスのダルビッシュのフォーシームの回転数は、2500を超え、ホップ成分が多い。一般的に回転数が高いほど、ホップ成分も多いといわれるが、山本とダルの縦の変化量である『V成分』を比べると、山本が13~17インチで、ダルビッシュが12~16インチ。横の変化量を示す『H成分』も、山本が6~10インチで、ダルビッシュ6~11インチと、ほぼ同じ性質のフォーシームを投げている。フォーシームの回転数が2400を超えるカブスの今永もV成分は11~16インチ。山本と大きな違いはない。ホップしづらいはずの山本のフォーシームが、浮き上がるといわれるのは、そのためだと考えられます」

 山本が大きな飛躍を遂げたのも納得だ。

  ◇  ◇  ◇

 山本と同様にWSで確かな爪痕を残した佐々木朗希に対し、ド軍フロントは「抑え転向」を打診する可能性が高いと見られている。いったいなぜか。いま、ド軍に何が起きているのか。

【もっと読む】佐々木朗希を待ち受ける「抑え転向」の打診

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝