ドジャース山本由伸「魔球のカラクリ」を数字で解読…打者への対応力が格段に向上していた!
ワールドシリーズ(WS)で3勝を挙げ、MVPに輝いたドジャースの山本由伸(27)。
第2戦は1失点完投、第6戦も6回1失点と好投。第7戦では同点の九回1死一、二塁から中0日で登板し、十一回まで無失点に抑え、胴上げ投手となった。
メジャー2年目にして常勝チームの真のエースに成り上がった。1年目の2024年は7勝2敗、防御率3.00だったが、2年目の今季はチームで唯一、ローテを守り、12勝8敗、同2.49。被打率も.229から.183に良化した。
「スタットキャスト」などの米データ分析サイトの数字を見ると、今季は相手打者への対応力が格段に上がった。中でも山本の大きな武器である「七色の変化球」の球質が向上、ストライクゾーンを立体的に使えるようになったことが分かる。
■6、7種類のスピン
伝家の宝刀スプリットは平均球速が1.1キロ速くなったことで、空振り率が昨季の38.6%から42.1%にアップ。リーグ優勝決定シリーズで対戦したブルワーズのイエリッチは「手元で急に落ちるから、フォーシームと見分けがつかずに振ってしまう」と脱帽した。
WS第7戦でも延長十回、スプリンガーに対してスプリットを連投。空振り三振に切って取った。
今季のスプリットの平均回転量は1427で1300前後のメジャー平均より多いが、前出のスプリンガーは「6、7種類のスピンをコントロールできる。あのスプリットを打つのはちょっと難しい」と言っていた。
カーブの変化量も、昨季より平均4.5センチ増えて33センチに。メジャー平均より縦に15センチ、横に7.6センチも大きく曲がる。打者が対応できず、カーブの空振り率も33.3%から36.7%にアップした。
このカーブが生きたのがWS第2戦だ。初回にいきなり無死一、三塁の大ピンチを迎えると、主砲ゲレロに対し、カウント2-2から、最後は低めにカーブを投げ込み、空振り三振に仕留めた。その後、2死一、三塁で迎えたバーショには、フルカウントからカーブで見逃し三振を奪った。


















