「掌」馳月基矢著

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「掌」馳月基矢著

 文政6(1823)年師走、江戸の外れ、小梅村の診療所「蛇杖院」に近くの青文寺の若い僧が駆け込んできた。寺に手習いに通う子どもたちの様子がおかしいという。麻疹がついに江戸までやってきたのだ。噂よりも早く、麻疹の流行を予言していた拝み屋の桜丸の指示で蛇杖院では薬などの備えを進めてきた。

 新米医者の瑞之助は、桜丸や20年前の麻疹の流行を経験している女中頭のおけいと、青文寺に駆けつける。蛇杖院から手習いに通う8歳の女中おうたも病を発していた。瑞之助らは不安を抱く子どもたちにこれからたどる病気の経過を説明するとともに、駆けつけた親たちと療養の準備にとりかかる。

 はぐれ者の医者ばかりが集まる診療所を舞台にした「蛇杖院かけだし診療録」シリーズ最新刊。 (祥伝社 924円)




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