「裏切者!」妻のネイルが頬を裂いて…男が直面した超修羅場。離婚の先にあった予想を裏切る結末

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コクハク

【不倫ドキュメント・ファイル~なぜ禁断の恋をするのか?】

 世の中、不倫の話題で持ちきりだ。2024年に実施された調査によると、既婚男性の約2人に1人、既婚女性の約3人に1人が婚外恋愛経験者だという。SNSやマッチングアプリが普及し、不倫のハードルは下がる一方。しかし、その裏にある人間の欲望と自己演出には注意が必要だ。

 ワイドショーの定番、それは芸能人の不倫騒動。謝罪会見に活動休止──愛に溺れた代償はあまりにも重い。

 世間が「不倫=絶対悪」と決めつけるなかで、それでも、人はなぜその扉を開けてしまうのか。禁じられた恋に身を投じる不倫の背景をCA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持ち、数々の人間模様を見てきた筆者が読み解いていきたい。

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29歳、男性が味わった苦い失恋

 過去の恋愛を引きずる人は多い。

「復縁できますか?」という質問も少なくないが、筆者の経験上、「フッた側」と「フラれた側」では結果が大きく違うと感じる。

 ――だが、復縁=幸せとは限らない。

 今回は、復縁がもたらした悲しくも滑稽な結末を紹介したい。

 取材に応じてくれたのは、幸次郎さん(29歳/メディア関係・バツイチ独身)だ。

「学生時代から付き合っていた美紀(29歳/食品関係・バツイチ独身)とは、当然結婚すると思っていました。でも僕が大手メディア関連の会社に就職すると、美紀の両親が猛反対したんです。『もっと堅実な男と一緒になれ』って。

 彼女は下町育ちで気が強い女でしたが、両親への愛情も人一倍強く、『両親が安心できる人と結婚する』と告げられ、僕らは別れました」

失恋から逃げるように年下女性と結婚

 翌年、友人を通じて、美紀さんが弁護士と結婚したと知る。

「ショックでしたね…。落ち込む僕に紹介されたのが、今の妻・加奈子(27歳/主婦)です。

 芦屋生まれのお嬢様で、実家は代々続く輸入業。兄2人が家業を継いでいたので、末娘の結婚にはうるさくなかった。温室育ちの彼女は『テレビ番組に携わっているなんて素敵!』と喜んでくれて…」

 失恋の痛みを埋めるように交際を重ね、幸次郎さんは加奈子さんと結婚。翌年、息子が生まれた。だが、東京での生活は不満だらけだったという。

「お嬢様育ちの加奈子は、実家の母――つまり義母を目黒の新居に呼び寄せ、育児や家事を任せていたんです。自分は女友達とショッピング、美活、グルメ、観劇ざんまい。

 僕との会話は女友達の話か、息子の将来のことばかり。メディア関係で不規則な僕の仕事や健康面には、まったく興味を示さない。息子が10カ月のころには、夫婦関係は完全に冷え切っていました」

大学の同窓会で元カノと再会

 疲弊した日々のなか、幸次郎さんの脳裏に、かつての恋人・美紀さんの笑顔が浮かぶようになった。

 そんな折、大学の同窓会が運命を変える。

「美紀と再会したんです。昔と変わらない明るさに、ちょっと大人の色気が加わって、さらに魅力的だった。

『実は、離婚したの。弁護士って理屈っぽくてイヤね』と笑う彼女に、『もしかしたら、運命なのかも』と胸が熱くなって…。

 僕も家庭がうまくいっていないと打ち明けると、自然に『復縁』という流れに。ゴルフやドライブを重ね、彼女の強さと優しさに救われたんです」

妻のネイルが顔面に

 しかし、甘い逢瀬は半年ほどしか続かなかった。

「その日、美紀と箱根のホテルに泊まっていたんです。翌日はゴルフの予定。妻には『接待ゴルフ』と伝えていました」

 夜11時――突然、部屋のチャイムが鳴った。ドアスコープをのぞくと、そこにはスーツ姿の男性、妻の加奈子、義母、義兄の4人が並んでいた。

「バレた! と思う間もなく、何度もチャイムが鳴って…美紀に伝えると『バレたら仕方ないわ。入ってもらって』と言われ、観念してドアを開けました」

 第一声は、妻の絶叫だった。

「『裏切者!』と叫ばれた直後、顔面に鋭い痛みが走りました。鏡を見ると、妻のネイルで引っかかれた三本の爪痕――まるで“アディダスのロゴ”のようでした」 

人生最悪の夜のあとは…

 血まみれの幸次郎さんを見るなり、美紀は妻に「暴力はやめなさい!」と一喝し、事態は修羅場に。

 興信所を使って2カ月から尾行されていたことも、その時に知ったという。同行したスーツ姿の男性は弁護士だった。

「妻に『この女と私、どっちを選ぶの?』と詰め寄られました。ためらいましたが、『申し訳ない。僕は美紀を選ぶ』と答えたんです。その瞬間、妻の顔が般若のように怒りで歪み、義母と義兄は『離婚だ。息子とは一生会わせない』と吐き捨てて出ていき…人生最悪の夜でした」

 だが、その修羅場のあと、美紀さんはこう言って笑ったという。

「『やだ、顔面アディダスね!』って。消毒と絆創膏で手当てを受けながら、僕が『こんな時に笑うな』と口をとがらせると、彼女は『こんな時だからこそ笑わなくちゃ。慰謝料はせいぜい200万、大丈夫よ』と豪快に笑うんです。翌日は、顔に絆創膏を貼って一緒にゴルフをしましたよ」

怒涛の恋愛遍歴を経てたどり着いた関係

 ホテル側には、セキュリティの甘さに苦情を入れつつも、スタッフは事情を察して苦笑いだった。

「プレーのあと、『僕はいずれ離婚する。その時は再婚しよう』と、思い切ってプロポーズしたんです。でも美紀は『お断り。幸次郎とは友達で十分!』とニッコリ。即フラれました(笑)。それでも、彼女がそばにいて救われたのは事実です」

 その後、幸次郎さんと加奈子さんは正式に離婚した。

 交際からの別れ、結婚、復縁、不倫発覚、離婚――怒涛の恋愛遍歴を経て、いま美紀さんとは「唯一無二の友達」としてつながっている。

「顔面アディダスは、今も会うたびに笑い話のネタです。そんな激しい人生も、自分らしいと思えるようになりました。明るい美紀のおかげで、仕事も人生も前向きに頑張れています」

 うっすらと傷跡が残る幸次郎さんの笑顔に、雄々しさがにじんでいた。

(蒼井凜花/作家・コラムニスト)

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