著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

円錐角膜(1)角膜変形で視力低下…乱視と間違われやすい

公開日: 更新日:

「円錐角膜」という目の病気をご存じでしょうか。主に思春期から青年期にかけて発症し、角膜が徐々に変形して視力が低下する病気です。

 多くは両目に起こりますが、片方の目のみに発症する人もいます。原因はいまの医学ではまだはっきりとはわかっていません。最近では、アトピー性皮膚炎などのように組織の結合が弱い体質の人に発症しやすいという報告や、遺伝的な要因が関与しているという報告もあります。日本人を含め、アジア人には比較的多い目の病気です。

 円錐角膜になると、角膜(黒目)の中心部分が薄くなります。薄くなった部分は目の内側からの眼圧に耐えきれなくなり、円錐状にとがって突出してきます。

 突出すると、角膜が歪み、乱視や視力低下につながります。初期症状は「光がまぶしく感じるようになった」「ものが二重に見える」「夜になるとものが見えづらい」などが多いです。右目と左目の見え方に大きな差が出る患者さんもいます。

 現在、円錐角膜の発症割合は450~2000人に1人程度といわれています。患者比率は男性の方がやや高く、患者数は年々増加傾向にあります。その原因ははっきりとはわかっていませんが、一つ挙げるとすれば、診断技術の向上があると思います。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした