• facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger

「里山資本主義」藻谷浩介、NHK広島取材班著

<利益を生んだ岡山のバイオマス発電事業>

 聞くだけで危なっかしいアベノミクス騒動を尻目に、いま日本各地でひそかにうごめくのが「里山」を舞台にした新たな経済活動だ。

 リーマン・ショックが露呈させた現代資本主義のあまりの脆弱(ぜいじゃく)さ。そして3・11東日本大震災で明らかになったのが「マネー」などいざというときは「何の助けにもならない」という現実。ショックを受けたNHKの若いディレクターたちは、全国をくまなく歩き回るユニークなアナリストに声をかけ、「里山」に息づく未来への知恵を探し始める。その成果が本書だ。

 岡山県の山間部にある真庭市は林業が頼りの山村地域。ここにある建材メーカーは自社の製材所をすべて自家発電でまかなう。原料は製材につきものの木くず。年間4万トンにのぼるこれを燃やすバイオマス発電のおかげで年1億円の電気代が浮く。逆に余った電気を電力会社に売電し、この収入が5000万円。木くずを産廃物として処理する費用の年間2億4000万円も不要となるため、全体としては年で4億円も得していることになる。

 発電施設の建設には10億円がかかったが、既に14年間の実績で減価償却はとっくに終了。地元自治体の後押しもあって岡山のバイオマス事業はまさに「里山資本主義」の好例になっているのだ。
(角川書店 781円)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    キムタクは“御一行”で…被災地を単身訪れた斎藤工との差

  2. 2

    フジは稲垣をドラマ起用 立ち位置に違いが出始めた元SMAP

  3. 3

    被災地で黙々とボランティア活動 吉川晃司の“気骨と矜持”

  4. 4

    広島・丸と西武・浅村めぐり…巨・神でFA補強争奪戦が勃発

  5. 5

    大物2世タレントの彼は20歳上の私に「部屋に行きたい」と

  6. 6

    党内からも驚き 安倍陣営が血道上げる地方議員“接待攻勢”

  7. 7

    木村拓哉ラジオも終了…SMAP“完全消滅”の今後と5人の損得

  8. 8

    元SMAPのテレビCM「快進撃」の裏側…40代にして“新鮮味”も

  9. 9

    4年連続V逸確実で…巨人はFA入団組“在庫一掃”のオフに

  10. 10

    人気女優陣が拒否…木村拓哉ドラマ“ヒロイン選び”また難航

もっと見る