「人に強くなる極意」佐藤優著
<変化の時代に対峙できる人間力の磨き方>
世界ではヒト・モノ・カネが国境を越えて行き来し、国内では国家機能の強化を図ろうとする動きが露骨に見られる今、日本に住む私たちは今までに経験したことのないような大きな変化の時代を生きている。本書は、そんな時代にサバイバルできる人間力とは何かを具体的に考察したもの。
「怒らない」「びびらない」「飾らない」「侮らない」「断らない」「お金に振り回されない」「あきらめない」「先送りしない」の8つの章を掲げ、どんな状況にも対峙できるずぶとい人間になるための極意を伝授している。
たとえば「侮らない」の章では、陸山会事件で捜査報告書の虚偽記載が問題になった件を取り上げ、大きな組織に対する個人の身の処し方を解説。いざ事が起きれば組織は自己保身のために一番末端の人間から切っていくことを自覚した上で、領収書の取り扱いや経理・庶務・人事面での社内の変化の潮目に気を配ること、メール確認など細かな仕事のメンテナンスをおろそかにしないことなど具体的な提案をしている。
各章最後には、章のテーマを深めるための参考図書の紹介コラムも付いている。
(青春出版社 838円)