「ネコトピア」ローラン・ミヨ著、橋本たみえ訳
■帝を殺した者を後継者に
10歳の少女アスカは、飼い猫のマイラを溺死させて以来、ありとあらゆる方法で猫を殺してきた。一方、長かった戦争を終結させ全能の天才として市民からあがめられてきた帝が遺言で、自分を殺した者を全財産の後継者に指名していることが発覚。誰かが帝を殺さなければすべての権力は消え失せると知り、帝を取り巻く委員会のメンバーは利権を失うことを恐れる。メンバーの精神分析学者が患者のアスカに帝の暗殺を依頼しようと提案。法定年齢に達していないアスカなら罪に問われることなく帝の暗殺が可能だからだ。
原著刊行のフランスで発売禁止が提言されたほど過激な問題小説。
(幻冬舎 1700円)