「料理僧が教えるほとけごはん」青江覚峰著
■食を通して学ぶ生き方
現役僧侶が身近な「食」を通じて、仏教の教えを説く生き方エッセー。
寺で開催しているアイマスクをして食事をする「暗闇ごはん」体験。10品ほどの料理が供される暗闇ごはんの仕掛けのひとつに、味わいの似た料理を自分の舌だけで判別する「食べ比べ」がある。正月には、西洋人参(にんじん)と金時人参、島人参を同じ味付けで調理して食べ比べるという。その食べ比べで好き嫌いを感じたとしても、人参に優劣はなく、どれもひとつの命だと教え、自身と人とを比べる心について論じていく。その他、もてなすとはどういうことかなど、旬の料理やお菓子をレシピ付きで紹介しながら、仏教の知恵を伝える。
(中央公論新社 840円)