「くう・ねる・のぐそ」伊沢正名著
し尿処理場の建設反対運動をきっかけに自身のウンコ問題に思いを巡らせた著者は、食べたものを自然に返すために野糞(のぐそ)を実行。以来、35年間でその数は1万回に及び、今世紀に入ってからは一度もトイレでウンコをしていないという。本書は、国内はもちろん世界各地で敢行してきた野糞体験を振り返りながら、その試行錯誤の過程やこだわり、そして野糞の醍醐味までをつづった奇書。
野糞跡を掘り返す追跡調査も行い、ウンコが土壌生物にとってのごちそうであることも紹介。ウンコを通じて真のエコロジーとは何かを問う。
(山と溪谷社 980円)