「いなくなった私へ」辻堂ゆめ著

公開日: 更新日:

 主人公は人気絶頂のシンガー・ソングライターの上条梨乃。物語は梨乃が突然、渋谷のごみ捨て場で目を覚ますところから始まる。泥酔して倒れていたのか、全く記憶のないまま慌てて歩き出した梨乃は、誰もが自分を有名人の上条梨乃だとわからないことに気づく。その上、街の電光掲示板には、自分が自殺したというニュースが流れていた。混乱のなか、シンガーの梨乃だと認識してくれた大学生・佐伯優斗や、梨乃と同じように誰ひとり自分に気づいてくれないと訴える少年・立川樹と共に、自分の存在が消えた謎を解こうとするのだが……。

 本書は、第13回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞の受賞作「夢のトビラは泉の中に」を改題し加筆したもの。現役東大生のデビュー作としても注目を浴びた。本人の意識は続いているにもかかわらず周囲の人々からは別人としてしか認知されず、自分は死んだことになっているという奇想天外な謎を解き明かす展開に引き込まれる。(宝島社 1500円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市首相の沖縄「慰霊の日」追悼スピーチは99%安倍元首相のコピペ…唯一の違いは旧日本軍の神聖化

  2. 2

    福岡ローカル「西鉄」が"本業"以外で大躍進のワケ 国際物流事業は国内4位でコロナ禍の営業収益は12%増

  3. 3

    高市首相の“恥”行動が海外に飛び火! 英タイムスがG7外交をディスり、英FTは国内財界との没交渉ぶりを暴露

  4. 4

    歌手・小椋佳さん「たばこの煙が悩みを解いてくれた」…82歳の今も週1でコンサート

  5. 5

    西武が交流戦初Vも…ワガママエース今井達也の放出こそが“最大の補強”だった説

  1. 6

    AKB峯岸みなみの“丸刈り写真” 世界中で相次ぐ目撃情報の謎

  2. 7

    【高校野球怪情報】沖縄尚学・末吉良丞“プロ回避”に現実味…左肘不安で浮上する「東都の名門」の影

  3. 8

    『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』オールキャリアを代表する傑作のトリセツに注意セヨ

  4. 9

    『グッド・デイ・サンシャイン』一筋縄ではいかないヘンテコこそが中期のすべて

  5. 10

    東京ビートルズの番組が、ビートルズ来日から60年後となる日に放送決定