「なぜふつう食べられないのか」磯野真穂著

公開日: 更新日:

「食べる」と「やせる」という、相反する課題を同時に求められる世の中で、幸せを求め、拒食症や過食症などの摂食障害に陥った女性たちの姿を通し、人が食べて生きることの根源的な意味を問うた論考。中学生でダイエットに目覚め、やがて過食と嘔吐を繰り返すようになり、大学で精神科に通い始めるがそれでもやめることができない女性など、6人のライフヒストリーを紹介しながら、やせることが現代社会においてどのような意味を持つのかを探る。

 一方で、医療モデルの検証、さらに過食によって得られる爽快感などにも言及しながら、なぜ彼女たちはふつうに食べられなくなったのかを考える。(春秋社 2500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態